性善説のサンバ
2015年04月14日

上の写真は私が撮ったものだ。いやいや、毎日更新するって大変だね。昨日は忙しくて、今頃昨日の文を書いているのさ。まあ意気込みだけは認めて欲しい。
それでは、レッツ妄想。
世の中にはイヤミっぽい言い方をする人っているよね。本人はそんな気はないにしろ、受け取り手がムッとしてしまうこともあるしね。今回は要するにそんな話なんだよ。
わざとではなくイヤミっぽい言い方をする人は、別に常識がないわけじゃない。むしろ相手をことを考えすぎて遠回しになりすぎた結果、「ハッキリ言えばいいじゃないの!」というような回りくどい裏のある表現になってしまうんだろう。
上の張り紙は、公共施設のトイレに貼ってあったものだ。これを見てどう思う? わざわざ「キレイ」という部分を色を変え、星で装飾してある。しかも「いつも」ときたもんだ。
天然で純真無垢なお嬢さんなら「いえいえそんな、当たり前のことですわ。」で終わるかもしれないが、普通に社会の荒波にも揉まれてきた人間ならば、しかも疲れ気味の状態ならば、「なんだよそれ、イヤミかよ。」と受け取ってしまう危険性が高いと思われる。そうでなくとも「なにそれ、何が言いたいの? ハッキリ言えば?」と突っ込みたくなる張り紙の文面である。
私の今の精神状態でこの文面を見たとしよう。口には出さないが、心の中ではこんなセリフが流れるのは間違いない。「・・・ハッキリ言えばいいじゃん。『トイレを汚さないでください』って書けばいいじゃん。」
この張り紙の意図は、「トイレをきれいに使ってもらいたい」というところにあると考えるのが妥当だ。本当に全員がキレイに使ってくれているから、是非お礼を言いたいんだ!というものでは決してないことは明白である。実際汚れてたし。
英語のアナウンスで最後に「thank you」ってつけるのを真似したのかな。それなら注意文をかいて、最後に「ご協力ありがとうございます」でいいんじゃないの? 文面考えてみよう。えーとね。「トイレは綺麗に使いましょう。あなたのご協力に感謝いたします。」んんん? 「トイレは綺麗に使いましょう。」だけでいいんじゃない? 「あなたの~」ってつけるとイヤミっぽくなった気がする。これをつけることで「なんでお前汚すんだよ」って言われた気がする。・・・疲れてるのか?
なんだか「トイレは綺麗に使いましょう。」って書いてあると、疑われてる気分になってきた。初めから汚されることを仮定して書かれた文だということが伝わってくる。人間の本質は悪だとする性悪説に則った文面だな。奥が深いな。
はっ!? もしかして上の張り紙の文面は「性善説」に則ったものなのか。性善説とは孟子の説いた思想で、どんな悪人でも4つの心が生まれながらに備わっているんだよという教えなんだ。4つの心とは、①憐れみの心 ②不正を恥じる心 ③謙譲の心 ④善悪を分別する心 なんだな。
「いつもトイレをキレイに使っていただき ありがとうございます。」という文面は、②不正を恥じる心 と④善悪を分別する心 に訴えかけるものだったのだなあ・・・。そして①憐れみの心 にも訴えかけるために、便器の笑顔のイラストまで入れるという徹底ぶり。完璧じゃないか。
もちろん張り紙の書き手は、③謙譲の心 に則って文面を考えている。「いつもトイレをキレイに使おうとする、あなたの行動は素晴らしい。恐れ入りました。」といったところか。 これを書いた人はまさか・・・先生!? 孟子先生ですか!? おおお・・・現代の孟子が公衆トイレに現れていたなんて。
トイレの張り紙に「性善説」が取り入れられていたとは驚きだったな。もちろん「性悪説」に則った張り紙もあるな。探してみると面白いかもしれない。そうだな、古き良き日本人は、皆まで言わなくとも、短い文面から察して、自らを律することができる人種だったはずだ。
でも実際、汚れてたんだよね・・・。 孟子の力も、現代の日本には届かなくなってきたのか。悲しいことだ。
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